最愛の灯を吹き消す頃に。
私は本を選べないまま、さゆみの隣に座った。

「さゆみ、午後からなんだけどさ」

「元宮くんと会うんでしょ」

「え、なんで分かったの」

「分かるよぉ。親友だもん」

「ごめんね。ダブルブッキング」

「いいよん。私も午後はママとショッピングだし」

「そっか」

「ねね、実際どーなの」

「どうって?」

「もうキスした?」

「キッ…!だからぁ。付き合ってないんだってば!」

「はぁ?本気で言ってんの?」

「ちょー本気」

「別に本人達が納得してるなら外野がどうこう言うことじゃないけどさぁ。やっぱ変だよねぇ」

「分かってる。さゆみだから言うけどね、ちーくん夢があるの」

「夢?」

「うん。詳しくは言えないけど。それで結構忙しくしてるんだ。ちーくんに対して全然恋してないって言ったら嘘になるよ」

「そりゃそーでしょ」

「それでもちーくんにとって今が一番大事な時なら、一番近くで応援できる、″権利″って言ったらおかしいかもしれないけど。そばで見守れるのなら嬉しい」

「健気過ぎじゃん」
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