エリート救命医と身代わり花嫁の再会愛。
「お疲れ様。……疲れて、ますか?」
「急患がいてな。だけど、大丈夫だったし」
彼は私を腕の中から少し離し、顔を覗き込んだ。疲れているはずなのに、目は温かかった。
こんな目で見られると、自分が何か大切なものになった気がして、少し照れてしまう。
「それに君の顔を見たら、疲れが飛んだよ」
そう言いながら、両手で私の頬を優しく包み込んだ。そして、すぐに唇を重ねてきた。
帰宅のキスは、いつもより少し疲れた温度があって、でもその分だけ深くて、じっくりと確かめるようだった。唇が触れた瞬間、今日一日の緊張がほどけていくような気がする。
彼が帰ってきた。それだけで、部屋の空気が変わる気がするのは、気のせいじゃないと思う。