従姉の代わりに結婚したら、救急医(元カレ)の執愛に捕まりました。



『……そういえば、榛名先生。院長の娘と結婚進めてるんだって』
『え? それって単なる噂じゃねーの? 先生って同じ救急の離洲さんと付き合ってるって聞いたけど』
『いやいや、この前さ榛名先生と院長の娘が一緒にいるとこ見たし院長室にも何度か呼ばれてるらしい』


 休憩中、そんな話を聞いてしまった。


『やっぱり、榛名も男だったんだなー。すげぇ可愛らしいし、院長の娘って。離洲さんも可愛いけど、仕事ができすぎのもちょっとなぁ。女の子は出来ない方が可愛いからな』


 男性職員はそんな話をして笑いながら休憩室から出て行った。私は、壁一枚挟んだ部屋にいたが、着替えもできず何も考えられなかった。
 そして、それから数日後に伯父夫婦に呼び出され直接言われた。


「――娘の願いを叶えたいんだ。君には悪いが、彼と別れてくれ。彼には君から別れを告げてほしいんだ」


 その言葉が、胸に突き刺さった。
 考えると言ってその場を離れようとしたが、伯父に「仕事もやめて欲しいんだ。君がいると、やりにくいこともあるだろうからね」とも言われた。私は娘の幸せのためには邪魔だと言われたのも同然だった。




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