従姉の代わりに結婚したら、救急医(元カレ)の執愛に捕まりました。
翌日、私はまず伯父さんに退職届を提出した。普通ならすぐに辞めることは出来ないが、院長をしている伯父さんならルールなんて関係ないだろう。
その後に休憩が同じだった航大を昼ごはんに誘った。お昼ご飯といっても売店でおにぎりと有名な飲料メーカーのほうじ茶だ。
「……航大くん、梅とおかかどっちがいい?」
「んー、はるちゃんは梅だろう? だから俺はこっちでいいよ」
いつもの会話のはずなのに胸が苦しい。これを食べたら言わないといけない。別れを告げないと、いけないなんて。
だけど、彼は麗が好きなんだ。だから航大くんを縛ってはいられない。
おにぎりを食べ終わり、お茶を一口飲む。
「そうだ、はるちゃん。次の休みどこかに行こう、久しぶりに休みがもらえたんだ。どこがいい? 前言っていた映画がいいかな」
「……ごめん、行けないや」
「えっ、なんか予定があった?」
私は彼の顔を見ずに首を振る。
「航大くん、あのね。話があるの……」
「え、なに? どうしたの?」
あぁ、好きだな……彼の言う『どうしたの』が好きなんだよね。でも、これで最後だ。