エリート救命医と身代わり花嫁の再会愛。
本物の朝で、本物の温もりで、本物の航大くんの腕だった。私はそれを確かめるように、そっと彼の胸に手を当てた。
トクトクと、規則正しい鼓動が返ってくる。この音を聞くたびに、昨夜彼が言ってくれた言葉が蘇る。
『君にずっと触れたかった』と——艶やかな声で甘い言葉を、まっすぐな目で言える人だとは知らなかった。
知らないまま、二年間を過ごしてしまった。
「……おはよう、はるちゃん」
低く甘い声が、耳元で響いた。航大くんはまだ目を閉じたまま、私の髪に顔を埋め、深く息を吸い込んだ。その仕草があまりにも愛おしくて、胸がきゅんと締め付けられる。
「おはよう……航大くん」
私が小さく答えると、彼はようやく目を開け私の顔を覗き込んだ。朝の光に照らされた彼の瞳は、昨夜よりさらに優しく温かい。寝起きで少し乱れた髪が、なんだかいつもより近くて——思わず目を逸らしそうになる。