エリート救命医と身代わり花嫁の再会愛。



「よく眠れた?」

「うん……すごく、安心して眠れた。航大くんの腕が、温かかったから」


 照れながら答えると、彼は満足そうに微笑み、私の額に優しいキスを落とした。ふわりと、壊れ物を扱うように。


「よかった。昨日はたくさん泣かせてしまったから、心配だったよ」


 航大くんは私の短い髪を指で優しく梳きながら、もう一度額、続いて瞼にや鼻先に、そして唇の端へ丁寧にキスを繰り返した。
 一つ一つのキスが、昨夜の深いものとは違う、朝の光に溶けるような優しいものだった。


「はるちゃん……可愛い。朝の君は、特別に甘く感じるね」


 彼は私の頬を両手で包み込み、ゆっくりと唇を重ねた。朝のキスは夜より少し控えめで、でも確かな愛情が込められていた。唇が離れるたびに小さな音がして、またすぐに重なる。



「……んっぁ、航大くん」


 甘い吐息が漏れ、恥ずかしい。恥ずかしくて、私は自分から彼の首に腕を回していた。


「顔、赤いよ」


 航大くんがくすりと笑った。
 

「だって……朝から、そんなに」

「そんなに?」


 彼はわざとらしく首を傾け、私の頬に唇を寄せた。


「照れてる顔も可愛いな」


 そう囁くから、余計に熱くなってしまう。こういう時の航大くんは、どこか意地悪で全部が甘くて——二年前もそうだったと、ふと思い出した。




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