娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
「毎日か……この家には寝るために帰ってくるだけで、ゆっくり眺めることは滅多にないんだ。見るとしても夜景だな」

隣に並んだ蓮人が、苦笑交じりに答えた。 

「夜景も綺麗でしょうね。でも、寝るためだけって、そんなに忙しいんですか?」
 
そっと蓮人を見上げると、以前よりも体が引き締まっていて、もともと小さかった顔がさらに小さくなっている。

「忙しいんだろうな。毎日仕事以外なにもしてないから、曖昧だけど」

「え、なにも?」

蓮人は肩をすくめた。

「正直、仕事以外なにも興味がないし、ここからゆっくり景色を見ることもなかったな」

「それって」

そんな毎日、楽しくないはずだ。

「ん? 杏奈がいなくなってからは、なにも興味がわかないし、ただ仕事に没頭していたんだ」

「そんな……私のせいですよね。ごめんなさい」

「だから謝るな。杏奈のせいじゃないし、自棄になったわけでもない」

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