娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
蓮斗が朱音の手元に水が入ったグラスを遠慮がちに差し出した。

相変わらず緊張しているようだが、朱音を見る目は優しい。

朱音は蓮斗に笑顔を向け、グラスを口に運んだ。

「ママも蓮斗君も、オムライス食べて?」

「うん。食べるよ。ママ、朱音の応援をがんばったからお腹ペコペコ。蓮斗さんもそうですよね」

「あ、ああ。朱音ちゃん、かけっこで一等賞だったね。おめでとう」

蓮斗もスプーンを手に取り、ぎこちない笑顔を朱音に向けた。

「朱音、一番が好き」

緊張している蓮斗とは逆に、朱音は愛嬌のある笑顔で答えた。

生まれた時から三園や店の従業員たち、それに常連さんたちからも可愛がられてきたせいか、朱音は人見知りすることなく人懐こい。

今日も店で待っていた蓮斗を見つけた途端「蓮斗君だ」と言いながらうれしそうに駆け寄っていた。

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