娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
「ごめんなさい。本当に……ごめんなさい」
 
あの時は自分自身の感情を守るだけで精一杯で、蓮斗をそこまで追いつめるとは思ってもみなかった。

蓮斗が軽い気持ちで付き合っているとは思わなかったが、父親と見合い相手の女性の存在を知って、蓮斗には自分と一緒にいるよりも幸せになれる未来があると考えたのだ。

けれど、それは単なるひとりよがりだったのかもしれないと、改めて自分の軽はずみな決断を悔んだ。

「だけど今の会社に入った途端時間が取れなくなって、杏奈の捜索はペースダウンするしかなかった」

「捜索って大げさ……いえ、心配をかけてごめんなさい」

「とにかく、元気でいてくれてよかった。それだけが気がかりだったんだ」

「蓮斗さん……」

「まずは地方の店舗を訪ねて、今年に入ってようやく東京近郊の店舗。だけど、まさかこんな近くにいるとは思わなかった。……あれからずっと?」

< 94 / 249 >

この作品をシェア

pagetop