篠田くんと御坂くん





「浅田さん」

 放課後、また篠田くんが来て私を呼んだ。

 いつになく真剣な顔をして。
 真面目な表情で。


「なに」

「あのさ」


 御坂はやめなさい。と篠田くんは私に言った。


「御坂はやめなさい?」

「そう。御坂はやめなさい。」


 私が半笑いしていると、篠田くんは続けて聞いた。


「俺の考えてる事当てて」

「なに?それ」

「良いから。当ててよ。」

「……」


 私が黙ると、篠田くんはふっと笑った。
 それから、女の子達を唸らせる甘い声で、

「俺にしなさいね。」

 と言ったのだった。

 
「頭悪い癖にって言いたいんでしょ」


 今言われた事が事実かどうか迷っている私に、ちょっとむっとした顔で篠田くんが言った。

 私が黙っていると篠田くんは床を見つめて声を潜めた。ぽつりと。

 
「あんまり頭良いと不幸になるよ。俺がそこから救ってあげる。」

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