n回目のリフレイン
「素敵な夢、ですね」
「ああ……」
矢島さんはそう言ったきり、片手で目元を覆うと下を向いてしまった。
「あいつめ、俺のとこには顔も見せないで……!」
「それは……矢島さんはきっと大丈夫だと信じているからじゃないですか?」
するりと、そんな言葉が出てきた。
怪我をした見ず知らずのお祖母ちゃんに手を差し伸べた矢島くんだもの、きっと困っている人を優先して助けているんだろう。
「俺は大丈夫、か……うん、そうか」
「私のことは……こう、心配になったから出てきたんでしょうね」
「あいつは……ずっと君みたいな人を救っていたのかもしれないな」
「そうですね……海でのことも、きっと」
同調するように風が吹いて、木の葉を揺らした。
「あれは、きっと“呼ばれて”いたから」
「波長が合ってしまったんだろう。そんな話を聞いたことがある」
「……お礼、言わないと」
ひとり言のように呟いて、私は立ち上がった。