n回目のリフレイン



 今になって背筋が寒くなる。


「矢島くんにあの神社で会えてよかった」

「俺も、友だちになってくれてありがとう。いつも神社か海か秘密基地にしか行けないから、ずっと一人だったんだ」

「そうなの……?」


 新事実に驚いていると、矢島くんはうなずいて詳しく話してくれた。


「俺も地縛霊だからね、自分がよく行った場所にしか行けないんだ」

「じゃあ、家とか学校は……」

「全部流された。更地だよ、更地」


 軽い言い方をしてるけど、どんでもないことをさらっと口走ってない? 矢島くん。

 そう突っこみたいのを飲みこんで、伝えなければならないもう一つのお礼のために頭を下げた。


「お祖父ちゃんとお祖母ちゃんのことも、本当にありがとう」

「いや、俺が勝手にしたことだから!」


 矢島くんが慌てて私の頭を上げさせようとするので、私は思わず笑ってしまった。矢島さんにすごく似ている。なにより。


「矢島くん、海童女命みたいだね」


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