契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜
「ご飯を作ってから来たので大丈夫ですよ。ひなたと3人で食べましょう」
「うちの奥さんは本当にできるな」

 私の頬に軽くキスをしてくる緋色さんに驚いていると、どこからか視線を感じた。
(勇だ⋯⋯勇は私の味方だったの? 勇は森田食品に勤めているのに大丈夫なの?)

 扉を塞がれても、緋色さんのホテルだったから私たちは裏口から難なく出られた。
 会場を出て送迎車に乗り込むと、私は緋色さんに問いかけた。

「あの音声データは勇から受け取ったものですよね。勇は大丈夫なんでしょうか?」

 彼が私と付き合っている時に、勇が陽子と肉体関係を持っていたことは間違いなさそうだ。
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