契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜
会社で受けた検診で気になる点があったから、精密検査をしたいということだった。

 わざわざ電話で前もって知らせてくるのだから、よっぽどの事かもしれない。
 私は電話を切った後も、胸の鼓動がおさまらなかった。

 ふと、勇の顔を見ると複雑そうな顔をしていた。
 そして、目の前にあったはずの記入済みの婚姻届はなくなっていた。

「俺、今日はもう帰るな。じゃあ、また⋯⋯」

何事もなかったように勇が帰って行く。

 電話先の声は深刻そうだったが、少し内容が聞こえていたのだろうか。
(勇はもし病気が見つかったら一緒に戦おうとか、そういうことは私の為に言ってくれないのね)

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