契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜
(俺が余計なこと言わないように、見舞いじゃなくて口止めに来ただけか⋯⋯)

「小笠原陽子が息子さんを刺したんですよ。私は見てました」
「日陰さん。彼女もまた身内なんだ。君にとっても可愛い妹だろ」

 俺は父の言葉に耳を疑った。
 陽子が彼女を殺そうとしたことを知っているのに、なぜそのような事を言えるのか。

「森田社長、息子さんが今、大怪我をして立ち上がれないのを見て何も感じないのですか? 社長にとって一番大切なのは息子の蓮さんじゃないんですか?」

 彼女が目に涙を浮かべながら訴える言葉に俺は息を呑んだ。
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