契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜
 ドリアンといえば、めちゃくちゃ臭い果物の王様だ。
 籠に入っている果物を探してみても、ドリアンは見つからなかった。

「森田さん、もしかしてパイナップルとドリアンを間違えましたか?」
「ごめん、揶揄っただけだから。メロンを食べたいんでお願いします」

 私は病室に到着した時は思い詰めたような表情をしていた彼が柔らかい表情になっていたのでホッとした。
(私を揶揄う余裕があるなら良かった⋯⋯)

「緋色、森田さんに説明の方をお願いね」
「分かった」

 緋色が森田さんに説明をしているのを聞きながら、私は心配で胸が苦しかった。

 彼に親を裏切るような提案をするのだ。

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