契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜
 聞かれてはまずいことだと思ったので、彼の隣に座り耳元で内緒話をするように囁く。

「森田さん、あの⋯⋯」

「日陰、なんでそんなところに座るんだ!」
 私は緋色に腕を引かれて立たされて、来客用の椅子に座らせられた。

「例の件をお願いしようと思って、他の人に聞かれたらまずいので⋯⋯」

「個室だから、そんなに大きな声を出さない限りは聞こえない。俺から、森田君に説明する」
 確かに私より緋色が説明した方がわかりやすいだろう。
 私は持ってきた果物を切って、森田さんに食べて頂くことにした。

「森田さん! お見舞いに果物を持ってきたのですが、何を食べたいですか?」

「じゃあ、ドリアンで!」
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