契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

30.俺は日陰を手放す気なんてないから。(緋色視点)

俺の表情をどう受け取ったのか日陰は逃げるように花瓶を持って病室を出て行った。

「私、お花のお水かえてきますね。お2人でメロンを食べててください」

「白川社長、2人きりになっちゃいましたね⋯⋯日陰さんは美咲の話を聞いて、ひなた君に話してあげたいだけなんじゃないでしょうか」
 俺よりも日陰を理解しているかのうような森田蓮の言い方に、俺は苛立ちを隠せない。

 日陰が俺に美咲の話を聞かないのは、俺が話したくないことを察しているからだろう。

 美咲は典型的な大切に育てられすぎた我儘なお嬢様だった。
 母親同士が仲が良く、婚約をしたが最初はその自分勝手ぶりにうんざりした。

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