契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜
「そうなのよ。美咲もね、側から見ればわがまま娘でも色々考えてたの。アメリカ国籍を子供に取らせてあげたいとか⋯⋯ひなたの将来を考えてたのよ」
 突然、口を抑えて美咲さんの母親が泣き出してしまった。
 私がハンカチを差し出すと「ありがとう」と言って受け取ってくれた。

「緋色さん、美咲が亡くなった時に、私たちは悲しみのぶつけどころがなくて君を責めた。謝罪させて欲しい」

 美咲さんの父親が緋色に頭を下げている。

 緋色は義理の両親から非難され、自分の両親も頼れず1人でひなた君を育ていたということだ。
 多忙な彼が1人でどれだけ大変だったかを思うと胸が締め付けられた。
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