契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜
 ひなた君の為に出来る事を何でもやりたい。
 私はひなた君の手をギュッと握りしめた。

「すぐに来られますか? 今の時間ちょうど急なキャンセルが出ているんです」

 少し間があって、返ってきた担当者の言葉が本当かどうかは分からない。

 私の必死さを心配してのことだとしても、残された時間がどれくらいあるか分からないから甘えてしまいたい。

「今すぐに行きます」
 私はそう返事すると、ひなた君の小さな手を握りしめて療育センターに向かった。

 そこに行けば、ひなた君の言葉が急に出てくるわけではない。
 それでも母親として何が彼にできるのか、誰でもいいから私に教えて欲しかった。

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