ナーフフィア
第三話 今度こそ
おーーーーーー
腹巻き、なのだ』
「なんだ!腹巻きなのか!恐ろしいのか?それ」
ミウロは拍子抜けする。腹巻きの何が恐ろしいのかさっぱりだ。
『波動の腹巻き、腹巻きんーー別名、あの護り鳥の話を聞きたいか?』
「ああ、ぜひ聞かせてくれ」ミウロは、窓に手をかける。
『それはだな、今から五年前に遡るーーー』
――ラウー国、護り鳥の住む森の木。
一際葉の色が青く目立つ護り鳥の住む木の周りの森の木々には、ツララが下がっていることが多く、雪も吹雪いている。
「アホウドリになって、アホになりたい。いや、アポだった。アポウ、アポウ!」
赤い毛色をした大きな鳥は、四角く薄い頑丈なガラスでできた電話に爪を伸ばすと、紙を見ながら電話をかける。
電話の呼び出し音がなる間、「あぁ、アポイントよ!アポよ!アポウよ!」と、アホウドリダンスを踊る。
「はい、もしもし・・・」
「こちら火を吹く鳥、カブも吹っ飛ぶカブ式よ!会社の代表取締役のカブシキといいます」
『――――ということなのだ』
「続きは!?」
「中途半端すぎ!」
『すまぬ。しかし、本当に行くのではないぞ?特に何もできることなど、ないからな』
「ねえ、ミウロ。ラウー国に行こう!」
エルが声を張り上げた調子でミウロの腕を引っ張った。ミウロも同感だった。
「何もできないことなんてないよ!何であっても!探せば少しでもできることが何かあるはず!」エルは、真剣な眼差しを龍に向ける。
『そうか。どうしてもというなら止めはしない。では』
龍は、赤黒い雲の中に姿を消す。空の様子も元通りになった。ミウロは、窓から体を離す。エルは、もう荷物を準備している。だが、怖いのか黙りこくったままだ。
「大丈夫なのか?エル」
「も、もちろん!オイラ、雷使いだからいざとなれば戦うよ!!」
さっきとはうって変わってやけに強気だ。ただ怖いことは怖いようで、足が少し震えていた。
「無理しなくてもいいぞ?」
「オイラ、あの龍の言ったことをひっくり返したい!それに、やっぱりラウー国をどうにか助けたいよ!」
「そうなんだな。神様、エルと一緒にとも言ってたから、エルがその気なら嬉しいぞ」
「そうだったの?それなら、なおのこと行かなきゃ」
「よし、そうと決まれば、行くぞ!ラウー国に」
「うん!」
こうして、ミウロとエルはラウー国に向かうことになったのだった。