Jully〜あなたと夢を〜

…つもりだった。


ガンッと大きい音がしたと同時にその場にうずくまる。


ノックしようとしたタイミングで、中から誰かが出てきたらしく、ドアが俺の頭に直撃した…。


「大丈夫か?」


「…大丈夫です。」


本当はあんまり大丈夫じゃないが、そう言いながら顔を上げると、古くなったドアを心配そうに眺めるママ…社長が立っていた。





「ハッハッハ〜掛けたまえジュリー君。」


部屋の中へ案内され、ジョークジョークと笑う田中社長。
この間のママの面影はどこにもなかった。
ビシッとしたスーツ姿で、言葉使いまでいかにも社長的。


「詞が出来て、持ってきたのかな?」


そう聞く社長に、この間の曲の意味を伝え、別の2曲を持ってきたとカバンからMDを取り出した。



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