Jully〜あなたと夢を〜

「本気なんだな…。」

「はい……。」



「……しかしジュリーもあれだな、こんな綺麗な人を泣かせやがって!」

「…………。」



店長は私に大きな背中を見せて喋った。
その声は震え、肩が小刻みに揺れる。その様子で泣いてるのが分かる……。



店長……………。



「……いいか、朱美さん。いつでも帰っておいで。みんな待ってるから…。」

「……ありがとうございます。」



私は背中を向ける店長に、お辞儀をすると書いてきた手紙をバックから取出し、机の上に置いた。


「……短い間でしたが、お世話になりました!」


そう言ってもう一度深々頭を下げる。
店長は背中を向けたまま、手を挙げる。


涙を拭いて振り向き、バックルームを後にする私に、店長の声が耳に届く。


「待ってるからな〜!」


一瞬足を止めるが、また涙を拭いてコンビニを後にする。



みんな…さようなら



研二さん……さようなら。




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