Jully〜あなたと夢を〜

トントン…


「…失礼します。」


会議室のドアを開けると、そこにはディレクターと父が居た。


「座って。」


ディレクターに促され、椅子に座る。
それと同時に、咳払いを1つして父が喋りだす。
きっと娘だから、会社では喋りにくいのだろう…。



「早速なんだが、深夜の音楽番組……担当のパーソナリティーが産休に入るんだ。代わりにしてみないか?」


父の急な話にびっくりしながらも、やってみたいとすぐ思った。
親の影響もあって、中学・高校とテレビよりラジオっ子だった私。
パーソナリティーは憧れの存在だった。



父が次の言葉を喋る前に、私はやります!と力強く答えた。


みんなの元を離れて、ようやく自分の頑張る道が見えた気がした。


自分の番組で研二さんの歌をかけたい……

そんな新しい夢、自分の夢を見つけた。




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