Jully〜あなたと夢を〜

あなたと夢を〜研二〜


バタン…


控え室のドアを閉め廊下に出る。ライブの準備にせわしないスタッフ。俺の前を行ったり来たり、そんな様子を尻目にゆっくりと深呼吸。


朱美さんと…キスしちゃった…


いつしかライブへの緊張も溶け、唇に残った朱美さんの温もりに浸る。


「ジュリー!こっちこっち!」


控え室の前でボーっと突っ立ってる俺に、社長が奥のスタッフルームから顔を出し、大声を出しながら手招き。


背中を預けてたドアからゆっくり離し、社長の元へ向かう。


「ちゃんと気持ち伝えられたのか?」

「…多分。」


社長の問いかけに煮え切らない返事。大好きだよ…とは伝えたけどそれだけ。緊張して言葉が出てこなかった。


「煮え切らない奴だなぁ〜ライブは頼むぞ!」

「それは大丈夫です!」



朱美さんから、パワーを貰ったから。



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