Jully〜あなたと夢を〜

「……。」


「…朱美さん?」


私は訳が分からず、ただ無言のまま電話の声を聞いていた。


「…朱美さん?…健児の母です。」


そう言われ、我に帰る。


健児のお母さんの声だ。
何回か会って話した事がある。
…でも何で?


「…あっ…すみません。健児さんかと思って。」


「…朱美さん。」


健児のお母さんは泣いていた。


「…どうしたんですか?」


私の心臓がバクバクしてるのが分かる。


あんなに寒かったのに、体中が熱くなる…。


「お母さん!」


私の声は震えていた。




「………朱美さん。健児がね…健児がね………。」



「……。」



「…健児がね、……死んだの…。」





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