Jully〜あなたと夢を〜

いつもと変わらず、新聞紙を引いてその上に座る。
ギターをチェックし、弦の張りを確かめる。


ただいつもと違うのは、今日がクリスマスイブで、俺の誕生日って事だけ。


「よし!大丈夫。チェック完了。」


道行く人がチラチラとこっちを見る。


これにも慣れた。最初は恥ずかしさもあった。
でもそんな事言ってたら、夢には近付けない。


夢は、『日本武道館』でライブする事…。


これを店長に言ったら、大笑いされて、
「お前が日本武道館でライブするなら、俺は両国国技館で相撲とるよ。」
そう言ってた。


雪ちゃんは今のうちにサイン下さいって言ってたっけ…。



そんな思いにふけっていると、いつまにか雪が降ってきていた。


雪にイルミネーションの光が映ってキラキラと輝いていた。


家路に急ぐ人たちも、足を止めて口々にキレイと洩らしていた。


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