きみは硝子のゼラニウム
少し名残惜しさを感じながら、私は尋くんから離れると、尋くんはさりげなく、私の右手を握ってくる。
なんだか急に自分が大胆になってしまったみたいで、少し恥ずかしい…かもしれない。
けれど、私はそのまま尋くんの手を握り返して、玄関の方へ歩いた。
「お邪魔します」
尋くんは礼儀正しくそう言って、私の家に入ってくる。
ひ、尋くんが…!まさか自分の家に来るなんて…!
急に心臓がバクバク鳴り出して、耳まで熱くなる。
ちら、と後ろを見れば、首をかしげて「ん?」と見上げる尋くんがいて。
た、耐えられる…!?
こんな状況、私…耐えられるのかな…。
自分から「帰らないで」って言ったくせに、いざ家の中に尋くんがいるって認識すると、頭の中がぐるぐるして、心臓がどうにかなりそうになる。
どうしよう、今の私は、もう冷静じゃいられないかもしれない…。
「ひな?入らねーの?」
「…っ!は、はいるっ…」