【完】きみは硝子のゼラニウム




「とにかく、ずっと見ていたかった。好きになるのに、理由なんて必要なくね?」



……そう、なんだ?

そうなんだ…。

誰かを好きになるのが初めての私は、比べる対象がいない。これが普通なのか、特別なのかも分からない。

でも、尋くんはきっと、嘘をついたりするようなタイプじゃない。


そっか。ちゃんとした理由なんて、なくてもいいんだ。



「じゃ、じゃあ…私の、どこが好き?」



勢いで聞いたくせに、言った瞬間から後悔し始める。

だって、もし少ししか出てこなかったらどうしよう、とか。逆に曖昧にごまかされたらどうしよう、とか。ぐるぐる考えてる私をよそに、尋くんは吹き出すみたいに笑った。



「ははっ…長くなるけど、いーの?」



………長くなっても、いいの。今、聞きたい。今じゃなきゃ、たぶんまた怖くなって聞けなくなる。

尋くんは、私なんかのどこが好きなの?なんでこんなに優しくしてくれるの?どうして、そんな目で見るの?



「まず、顔とかスタイルとか、外見は当たり前だし。」


「えっ…」



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