きみは硝子のゼラニウム

ひまわり


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ジリジリと肌を焼くみたいな日差し。

耳にまとわりつく蝉の大合唱を聞いていると、嫌でも思い知らされる。本格的に、夏が始まったんだって。


7月下旬。明日から夏休み。

今日はその前の全校集会。午後の体育館は、もはや蒸し風呂みたいで、じっとしているだけなのに体力が削られていく。

整列したまま動けない時間が、こんなにも長く感じるなんて。



ツーっと背中を汗が伝う感触がして、思わず肩をすくめる。

うわ、気持ち悪い。制服がぺたっと張りついて、余計に暑い。

汗臭かったらどうしよう、なんて余計なことまで考えてしまう。



前のほうでは、校長先生の長い話が始まっている。

夏休みだからと言って羽目を外すな、とか。体調管理をしっかりしろ、とか。三年生はここが勝負だ、とか。


分かってます、って心の中で呟きながら、うちわでもあればいいのに、なんてぼんやり思う。体育館の空気は重くて、息をするだけで暑い。


きっと、早く終わってくれって思っているのは私だけじゃない。周りのざわめきや、わずかに揺れる列の動きがそれを物語っている。誰かが小さくため息をつく音が聞こえた。



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