きみは硝子のゼラニウム
ぴたり、と尋くんが足を止めた。つられて私も立ち止まる。
向き合ったその顔は、いつもの余裕のある優しい笑みじゃない。さっきの金森くんと同じ、どこか追い詰められたみたいな、苦しそうな表情。
今日の尋くん、なんだか……いつもと違う。
「…金森くんは、」
喉まで出かかった言葉を飲み込む。
学校で、唯一私に話しかけてくれる人。
なんて、そんなことを言ったら、なんて思われるだろう。友達、いないんだなって思われる?変な子だって、思われちゃう…?
「…たまたま2年連続同じクラスってだけで、それ以上でもそれ以下でもないですよ?」
できるだけさらっと言ってみせる。手の震えに気づかれないように、背中の後ろでぎゅっと拳を握りしめる。
平常心、平常心。大丈夫。何も間違ってない。
にこっと笑ってみせると、その瞬間。
「あー!」
突然、尋くんが大きな声を出した。びくっと肩が跳ねる。
次の瞬間、その場に急にしゃがみ込む尋くん。
「ひっ、尋くんっ…!?」
え、えっと…!?なに、どうしたの!?