きみは硝子のゼラニウム

ミモザ


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自分のことを、特別不幸だなんて思ったことは一度もなかった。

だけど、どうやら周りから見る私は、少し違って見えているらしい。




「今日の合コン、ひなも誘うー?」


「うーん…あの子いたら、男子全員そっち行っちゃうし」


「うわ、ただの嫉妬」


「そうじゃなくてー、雰囲気も暗くなっちゃうじゃん?」


「あー。それはそうかも。いつも不幸です、みたいな顔してるし」




昼休み。

お手洗いの扉をそっと開けた瞬間、そんな会話が耳に入った。


思わず固まる。

音が鳴らないように、ゆっくりと扉を閉める。

方向転換。別の場所にしよう。



窓の外に目をやると、中庭でお弁当を広げて笑い合うグループが見えた。

楽しそうで、あたたかそうで、うらやましい。

いいな、と思ったのは初めてじゃない。

でも、私には無関係なんだろうな、とすぐに思う。




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