きみは硝子のゼラニウム




一回アプリを閉じて、また開く。意味がないのはわかってるのに、ついそんなことを繰り返してしまう。

トーク画面に入る前の一覧画面で、目に飛び込んでくる〈ごめんなさい。〉の文字。


トーク画面を開いて、そこに並んでいた文章を、上からゆっくり読んでいく。


……読み終わっても、意味が頭に入ってこなかった。


時計の針が、ちょうどてっぺんを指す。
日付が変わる瞬間だった。

部屋は暗くて、スマホの光だけがやけに白く目に刺さる。



「……なんで?」



思わず、ぽつりと声が漏れた。


訳がわからない。



「……は?」



もう一度読み返す。
指先が少し震えている。

でも、何回読んでも同じ文章で。

意味も、変わらない。


ガバッと体を起こした。
心臓が、さっきまでと比べものにならないくらい速く打っている。



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