きみは硝子のゼラニウム
もっと早く出会っていたら。そのときに、俺がひなのそばにいたら。
でも、それだけじゃない。ひなのお母さんがまだ生きていた時から、ずっと俺がそばにいたら、どれだけ救えたんだろう。
そう考えると、胸の奥がぎゅっと締め付けられて、言葉にならない悔しさが押し寄せる。
ふと、カウンターに置いてある花束が目に入った。水色と白が混ざった、柔らかな雰囲気の花束。
「…あぁ、その花束ね、ひなちゃんが昨日作ったの。今から飾ろうと思って」
「…なんの花ですか?」
店長の答えに、俺は自然とスマホをポケットから取り出して検索をかける。
「勿忘草」――画面に映る小さく可憐な花を見つめながら、花言葉を確認する。
『私を忘れないで』
胸の奥に、熱いものがこみ上げる。
「ひなちゃんにとって、尋くんとの出会いは運命なのかもね」
店長の言葉に、少し息をのむ。