きみは硝子のゼラニウム




むーっと険しい顔でスマホを見つめていると、前のほうから「なんか怖い顔してない…?」って声が聞こえて、ハッとして、思わずため息をついた。



だめだめ、こういうのがよくない。こんな顔、やめなきゃ。


ぎゅっと唇を結んで、自分に言い聞かせていると、ブブっと手に持つスマホが震えた。

尋くんから追加のメッセージ。



〈学祭あるんだけど、クーポンいっぱいあるし、よかったら来ない?友達連れてきていいよ〉



学祭…。ああ、そっかぁ、学祭のことだったんだ…。


……私、何を期待してたんだろう。


もしかして、私に会いたくてお店まで来てくれるんじゃないかって、思ったの?


カーッと急に顔が熱くなって、恥ずかしくなる。


自分の心のうちで、勝手に舞い上がって、勝手にドキドキして…。舞い上がるも何も、なんでそんなこと思ってしまったんだろう。


恥ずかしくて、でもどうしようもなくて、ふーっと一息ついて、もう一度送られてきた文章を読み返すと、少し胸が痛んだ。



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