絶対恋度
𓂃 𓈒𓏸
「なにこれ」
テーブルに並べられた手乗りサイズのぬいぐるみを見て、家主の男は顔を顰めた。普段から目付きがわるいのに、さらに凶悪化している。
おかしな話だけど、この状況を作っているのは紛れもなくわたし。
「え?今度うちで取り扱うことになったキャラクター。可愛いでしょ」
レトロでアメリカンヴィンテージな部屋にまったく馴染まないキャラクターのことを、この男が気にいるはずもない。似合わないの確定しているし。……いや、意外と似合うかも?
男は、眉間に皺を寄せたまま一体のぬいぐるみを手に取って、じっとみつめた。やっぱり、似合うはずがなかった。
「可愛いというより、美味そう」
「意味がわかんない」
「だよな」と鼻で笑った男は、何故かわたしの頭の上にぬいぐるみをのせた。
「それより、ただいま」
その男……燈埜は、目つきの悪さをほんのりとやわらめ、おくれて無気力なあいさつをするから、私は「うん。おかえり」と、当たり前に返事をした。
──……やっぱり、おかしな話である。