あの日の約束をもう一度
「……そう。最近は自分の家や学校の場所を忘れたり、スマホのパスワードを忘れたり…。」
「…そう、だったんだ」
「…昨日は父さんと母さんの命日だったって言うのにそのことを忘れちゃって、良助(リョウスケ)さんに心配されちゃったんだ……」
……。
実は、琥珀の両親は5年前に事故で亡くなっていて、昨日がその命日だったのだ。
だから今は、琥珀のお父さんの親戚の良助さんのお家で暮らしているのだ。
良助さんはとっても面倒見が良くていい人だから、あまり迷惑をかけたくないって琥珀が昔言ってたな…。
……だからこそ…
「…話してくれてありがと。良助さんに心配をかけたくないってことは私も知ってるよ。…だからこそ私には迷惑をかけて欲しいな……」
……これで少しでも琥珀の気が楽になったくれたらいいな…。
「……うん。ありがと」
琥珀はあはは…と乾いた笑みをしながら少し低いトーンで言った。
「……あのさ、大げさすぎるかもだけど、今度の土曜日に病院に行ってみたらどう?」
「……そうだね。…あのさ、これ以上良助さんに迷惑をかけたくないから……日葵。一緒についてきてくれない?」
……琥珀がこんなにも素直に頼んでくるだなんて久しぶりかも。
琥珀はなんだかんだ言って一人が抱え込みすぎる人だから、こうやって素直に言ってくれるとビックリするし、それと同時にすごくうれしくなる。
「うん。…もちろん!」
私は二つ返事で了承した。