あの日の約束をもう一度


「……はぁ、もう新手の面接かと思った…」

「…あはは。…お疲れ様、琥珀」

「今日一番で疲れたと思う」

「あはは……でもまだ診察結果が出てないから、出たときに一番使うかもよ」

「あ、そうだった……」



 はぁ〜とため息を出しながら待合室の椅子に腰をかける琥珀。


 話をしながら時間をつぶしていると、お医者さんから診察結果が出たと言われた。


♡.*・゚┈┈┈┈┈┈┈┈゚・*.♡


「では診察結果ですが、天龍寺さんは"失念病"かと思われます」

「…しつねんびょう…?」

「はい。簡単に言えば”二度と回復しない記憶喪失”。と言えばわかりますか?」


 失念病

 聞いたことがない病名を聞かされ、私達は理解が追い付かなかった。

 お医者さんによると、日にちが経つにつれ、徐々に自分が持っている記憶を忘れていってしまう病気らしい。

 そして、この病気は今まで前例があまりない、とても珍しい病気らしい。

 私達が知っている認知症と違うのは、一度すべての記憶がなくなってしまうと二度と思い出せない代わりにその後の記憶は残るというところだ。

 認知症だと、判断力や理解力などが低下したり、物忘れをしたりする症状が出るらしいんだけど、失念病にはそれがないらしい。
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