雪音だけのライブハウス
愛祈琉(あいる)
「あ…。」


『だからアイツは家を飛び出したの。都会で無茶やって、不摂生して、身体壊して…。』



――『ウチはそんなもん気にしねぇから、いつでも帰ってこい』――



私が音楽活動で苦しんでいた頃の修児(しゅうじ)くんの言葉が頭をよぎった。

私は修児(しゅうじ)くんに救われていたけど、同時に修児(しゅうじ)くんを救えていたのかな…?

愛祈琉(あいる)
「お母さん、聞いといて何だけど、どうして修児(しゅうじ)くんのこと話してくれたの?」


『私が…後悔してるから。』

愛祈琉(あいる)
「後悔?」


修児(しゅうじ)を救えなかったことと、愛祈琉(あいる)修児(しゅうじ)と同じ思いをさせたこと。』

愛祈琉(あいる)
「…。」


修児(しゅうじ)は病気になった後の方が幸せそうだった。』

愛祈琉(あいる)
「そうなの?」


『荒れて荒れて…手がつけられなかったアイツが別人のように笑うようになった。愛祈琉(あいる)が音楽を始めてからね。』

愛祈琉(あいる)
「私の音楽活動?」


修児(しゅうじ)愛祈琉(あいる)の歌を楽しみにしてた。新曲はぜんぶ聴いて、ライブ配信も欠かさず見てた。』
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