12人と私のハチャメチャ寮生活! ➊輝石の12人のジュエル達

特別寮の住人達

地図を見て、やっと着いた。

ていうか、大き過ぎない?ここにglowの人達は毎日住んでるんだなぁ。

「ようこそいらっしゃいました」

門をガチャリと開けて出てきたのは、メイド服を来ている(もちろん私よりは年上だけど)若い女の人。

「あ、ありがとうございます」

「貴方が、天石咲希ちゃんかしら。どうぞどうぞこちらに」

手招きされて私は入った。お城みたい……!

「わぁ、広いですねっ、まるでお城みたいです!」

あ、そういえば。

「貴方の、お名前、教えて下さりませんか?」

「ええ。私の名前は、宝城光です。この名刺見ると、ひかりって言われるのですが、ひかるです」

光さんはすたすた歩く。……宝城か。校長・副校長先生と同じ苗字って事は、家族だったり?

「後」

光さんは振り向いた。

「glowの方達と一緒に生活するのには、過剰と言って良いほどの覚悟が必要なのです。それぞれ個性豊かで、女嫌いもいれば、人懐っこいタイプもいます。……でも、天石さんは、いいえ、なんでもございません」

???

「さあ、こちらが天石さん……咲希様のお部屋でございます。私がベルを鳴らすまで、ごゆっくりお過ごし下さいね」

爽やかな笑みを浮かべ、光さんは足早に去って行った。


こ、これから、どうしよう‼︎覚悟が必要だって事は知ってたけど、光さんの顔、結構真剣だった。

でも、天石さんは、の続きは、「他の女子の方より問題は深刻かもしれません」だったり。


頭が暗い方へいっちゃった。思考をもうちょっと明るくしなきゃ。

やっと落ち着いてきて部屋を見回すと、私好みのインテリアだった。観葉植物も真緑で元気そう。

オシャレな本棚には、最近気になっていたマガジンなどが置いてある。

都合良すぎじゃない⁈

もうちょっと探索してみると、お風呂場に洗面所、運動ができる部屋まであった。とっても豪華だっ。

やっぱりココ、想像以上のセレブだ……。もてなされてすごく嬉しいけど、素敵すぎて気が引けてしまう。

セレブ探索(私、ネーミングセンスなし)をしていると、光さんがベルを鳴らしてくれたみたい、可愛い音が響く。

「咲希様、どうでしょうか?咲希様の好みに合わせて、部屋を模様替えしてみたんです」

わっ。気が付かなかったけど、様呼びされてる!しかも私のために模様替えだなんて、ありがとうございます!

「とっても綺麗なお部屋でした!模様替えのセンスが良すぎて、大興奮ですっ」

光さんは微笑んで頷いてくれた。

「そろそろご夕食のお時間です。1階の食堂でお待ちしておりますね」


うわぁ、すごい!食堂とは言えない、オシャレな雰囲気……。

glowの人達も何人か来ており、真剣に話していた。

「こ、こんにちは……」

今にも消え入りそうな声で私は挨拶をした。

「こんにちは。もしかして貴方が天石咲希さんですか?今日からよろしく」

眼鏡をかけた、真面目そうな男の子が頭を下げてくれた。私も下げかえす。

「ハァ?女子と一緒に住むって、聞いてない」

「編入生ってアンタ?ふぅん」

「よろぴく〜♡咲希ちゃんだっけ」

その中に、ダイヤモンドさんもいた。

「天石咲希」

突然ダイヤモンドさんは呟く。

「はい?」

「glowへの加入を勧める」

前私を庇ってくれた、可愛い男の子、トパーズさんは、

「えっ、glowって女子ダメじゃなかった?」

「そうですそうです!女子はダメだから、私は……」

声を上擦らせて言った私に、ダイヤモンドさんは何も言わせぬ眼差し。

「いいだろ。じゃあな」

食事を終わらせ、1人、自分の部屋に悠然と歩いて行った。この人、不思議なオーラを感じる。

「あはは〜。ダイヤモンドくんが冷たくてごめんね〜」

「お前、ダイヤモンドの事、遠回しに揶揄うなよ」

「ダイヤモンドくんはマイペースすぎるんだよ〜、まぁ、オパールくんに言ったって、分かんないだろうけど?」

「でねでねでね♡」

トパーズくんはきゅるんきゅるんした瞳を私に向けて話し始める。

「glowに入っちゃっていいよ〜♡同じ特別寮の住人だもん、ね♡」

結構圧をかけてくる……。

ふと、華鈴ちゃんが頭の中に浮かんでくる。darknessの姫候補だって言ってた。

もしglowのメンバーになった場合、敵になる?

わ、私、自分の事しか考えてない……。そこは直さなくちゃだよね。

glowの人達は女の子にモテまくりだし、嫉妬とか色々されるのでは。

怖くなってきた……!

「チョットカンガエテオキマスネ」

カタコトになりながら、返事をした。

「ん〜。ザンネ〜ン。じゃ、また返事よろぴく⭐︎」

トパーズくんはウインクする。

「咲希ちゃん、夕ご飯食べないのぉ?美味しいのシェフさんが作ってくれたよ〜」

テーブルの方を見ると、豪華〜な料理がずらっと並んでる。

キラキラしたオーラの男子に囲まれて、私はガチガチになりながらフォークとスプーンを取った。


「ご馳走様でした。シェフさん、ありがとうございますっ」

お礼を言うと、シェフさんは「こちらこそ」とお辞儀した。は、恥ずかしいっ……。

「またね〜。咲希ちゃん!」

「またな……」

「明日また会いましょう」

みんなが「またね」って言ってくれた。私も、

「これからよろしくお願いします」

って返す。



ふぅ。疲れる……。

こんなに疲労感がすごいとは思わなかった。

みんな、私のこと歓迎してくれる人は少しはいた。嫌そうな人も。

でも、いきなり女子と一緒に住めだなんて言われたら、そりゃあ困惑しちゃう。

頑張ろうっと。

なんて呑気に考えていた私には、明日、〇〇が起きるなんて、思ってもみなかったんだ。
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