扉の向こうの王子様~終電帰りの限界社畜OL、玄関のドアを開けたら異世界と繋がっていました
◇◇◇
とはいえ、何から手を付けて良いものやら。
「掃除……は一日がかりになっちゃいそうだし、必要資料を一カ所に纏めるところからかな」
軍服の上衣を脱ぎ、シャツの袖を捲る。ハンカチを三角に降り、マスク代わりに。
軍官舎の自室と比べ、将軍の執務室は温度が温かく保たれており、少し動くと汗ばんできた。髪が長ければ纏められるのに、と首筋を指先で拭う。
書棚は混沌を極めていた。
冊子状の資料の間に巻物状の物が重なり、手に触れた瞬間から床へと崩れ落ちていく。
既視感を覚える光景である。
中段の棚の中身を全て床に落下させた時には、流石に大きな声が出た。今日の指示外の物に関しては、木箱にとりあえずの措置として放り込み、また後日精査する事にしよう。
空の木箱を探して資料室をうろうろしていると、書棚に突っ込まれている陶器の茶器と、湯を沸かすための魔術具が出てきた。横には破れた麻袋から零れている茶葉がばきばきに割れている。胡乱な目をしながら、凛子はそれらを纏めて救出し、窓際の細長い机に移動させる。
もしかして先日出された茶はこれを使用したのだろうか。
自ら淹れてくれるのは非常に有難いが、保管状況は見たくなかった。
討伐以外の資料、予算に関する物、人員配置に関する物、軍備に関する物等、木箱をインデックス替わりにして詰め込み棚に戻す。年代や用途はまた後日の仕事になりそうである。
仮眠室の中の資料は、対外国に向けた軍備資料や予算の稟議書も含まれていた。大資料室に返却しなければいけない物は判断に困る為、後程指示を仰ごうと、執務机に並べて置いた。
執務室に新たに設置された凛子用の小ぶりな文机には、魔物討伐に関する題が表記されてあるものを抜き出し、積み上げていく。
とはいえ、何から手を付けて良いものやら。
「掃除……は一日がかりになっちゃいそうだし、必要資料を一カ所に纏めるところからかな」
軍服の上衣を脱ぎ、シャツの袖を捲る。ハンカチを三角に降り、マスク代わりに。
軍官舎の自室と比べ、将軍の執務室は温度が温かく保たれており、少し動くと汗ばんできた。髪が長ければ纏められるのに、と首筋を指先で拭う。
書棚は混沌を極めていた。
冊子状の資料の間に巻物状の物が重なり、手に触れた瞬間から床へと崩れ落ちていく。
既視感を覚える光景である。
中段の棚の中身を全て床に落下させた時には、流石に大きな声が出た。今日の指示外の物に関しては、木箱にとりあえずの措置として放り込み、また後日精査する事にしよう。
空の木箱を探して資料室をうろうろしていると、書棚に突っ込まれている陶器の茶器と、湯を沸かすための魔術具が出てきた。横には破れた麻袋から零れている茶葉がばきばきに割れている。胡乱な目をしながら、凛子はそれらを纏めて救出し、窓際の細長い机に移動させる。
もしかして先日出された茶はこれを使用したのだろうか。
自ら淹れてくれるのは非常に有難いが、保管状況は見たくなかった。
討伐以外の資料、予算に関する物、人員配置に関する物、軍備に関する物等、木箱をインデックス替わりにして詰め込み棚に戻す。年代や用途はまた後日の仕事になりそうである。
仮眠室の中の資料は、対外国に向けた軍備資料や予算の稟議書も含まれていた。大資料室に返却しなければいけない物は判断に困る為、後程指示を仰ごうと、執務机に並べて置いた。
執務室に新たに設置された凛子用の小ぶりな文机には、魔物討伐に関する題が表記されてあるものを抜き出し、積み上げていく。