彼は魅惑のバレリーノ
「……ベッド行こ?」
さっきより静かで、
でも確かに熱を帯びた声。
拒めるはずがない。
でも、怖くはない。
こくんと頷いた瞬間、
スッと身体が浮いた。
「ちょっと! 歩けるから!」
「逃げないようにね。」
ふっと笑いながら、お姫様抱っこで抱えられる。
その余裕のある笑顔に、
胸の奥がじわりと甘く溶けていく。
腕の中はあたたかくて、
心臓の音が自分でもうるさいくらい響いていた。
「……柊くん、ほんとに…あの私。久方ぶりなんだけど。」
勇気を振り絞って言うと、
柊くんは歩みを緩めて、
そっと耳元に唇を寄せた。
「久方って…
大丈夫。
ちゃんと優しくするから。」
その声があまりに優しくて、
また心臓が跳ねる。
ベッドに下ろされる。
まさかのダブルベッド。
それからは——
驚くほど優しくて、
甘くて、
何度もキスをされて、
そっと抱き寄せられて。
触れられるたびに、
胸の奥がじんわり熱くなっていく。
ぼんやりと、
「あ、これ私明日死ぬのでは…」
なんて思うほど、
夢みたいに幸せな時間だった。