彼は魅惑のバレリーノ
「でも…いらないならいいけど。
モデルするのも一回限りということで。」

そう言ってスマホを下げようとする。

「いやいや! 教えてください!
お願いします!」

勢いよくスマホを差し出し、深々と頭を下げる。

連絡先を交換し、ふとトップ画像が目に入った。

「マリアさんだ。
神々しい。」

凛々しく座るロシアンブルーマリアさんの写真。
そう言った瞬間、いつの間にかマリアさんが隣に来ていて、
「にゃあ」と返事をした。

「本当珍しいな。
マリアが俺以外に懐いてるの。」

「マリアさんにはわかるんだね。
私の人柄の良さが!」

ふふふと笑うと、
目の前の彼は冷たい視線を送ってきた。

その視線が、なぜか少しだけ心地いい。

「……自分で言うんだ。」

淡々とした声。
でも、口元がほんの少しだけ緩んでいる気がした。
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