彼は魅惑のバレリーノ
自分のデスクに戻り、チケットを見つめる。
——誰誘うか。
一瞬、猫のスタンプが頭をよぎったけど……
「ねぇ、亜季。今週土日空いてない?」
同僚の亜季に声をかける。
「彼氏んちにお泊まりデートだから無理。」
「うわーいいな。リア充め。」
「それよりどしたの?そのチケット。」
「もらったんだ。取引先の人から。」
「へぇー。
あ、デザインどうだった?」
「気に入ってくれた!」
「良かったじゃん。スランプ脱出ね!」
「とりあえずは?
でも、どうしよう。一人で行こうかな。」
そこへ亜季が手を振る。
「あ、深山ー。」
「なに?」
短髪の黒髪、高身長、筋肉質。
爽やかで仕事もできる同期、深山 透(みやま とおる)。
「一華が美術館のチケットもらったんだって。今週の日曜までみたい。」
「うわー、まじか!行きたかったけど、週末はフットサルの試合なんだよなー。」
深山は本気で残念そうに眉を下げた。