あやかし銀狼に恋をして〜じれ恋はやがて溺愛に包まれる
【すれ違い、そして別れ】
 今年の花火大会は大雨で中止になり、夏が終わる頃。
 「瑞穂ちゃん、急にごめんね!友達が出雲に行きたいって東京から出てくるから、1泊だけ行ってくるわ」
 「いいよ、楽しんできて」
 「今度から旅行に行く時、夜は瑠宇斗君にお願いしてるから」
 時々、友達と1泊旅行に行くことはあったけど・・・
 「今まで1人で留守番してたし、大丈夫だよ」
 「今までは瑠宇斗君が外を見回りしてくれてたからよ。もう彼氏なんだから、家に来てもらったら良いじゃない」
 「えっ?そうだったの?」
 「夜はやっぱり心配だし、瑠宇斗君がそうしてくれてたの」
 「で、でも一緒に家でって・・・も、もしかして、もう頼んだの?」
 「そうよ、瑠宇斗君も大丈夫だって。そばにいる方が安心だからそうするって言ってたわよ」
 「だ、だって・・・えっ?お、男の人と2人だよ?」
 「瑠宇斗君でしょ?彼氏だからいいじゃない」
 「いいじゃないって・・・」
 「嫌なの?」
 「い、嫌じゃない・・・けど・・・」
 「じゃあそうして。これで安心して行けるわ」

 そして、その夜。
 瑠宇斗は一旦顔を出したけど、緑運の手伝いのために少し遅くなるから、何かあったら大声で叫ぶようにと、お風呂に入って布団を敷いて待っていた。

 2つ並ぶ布団をくっつけると、瑠宇斗が直ぐ隣に寝ている姿を想像してドキドキして、離すと距離感が寂しくてまたくっつけてと、1人であぁだこうだと布団を動かしていると、瑠宇斗が戻って来た。
 「遅くなってすまなかった。大丈夫か?」
 「は、はいっ!暇だったので本を読んでました」
 「それなら良かった」
 きっと、登喜代が瑞穂の姿を見ていたら、大笑いしていただろう。
 瑠宇斗が今日あったことを瑞穂に話し、あっという間に時間が過ぎた。
 「そろそろ横になろうか。俺は布団で寝ないから片付けよう」
 「は、はい」
 さっきまでの自分が急に恥ずかしくなったけど、何事もなかったかのように、布団を片付けた。
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