あやかし銀狼に恋をして〜じれ恋はやがて溺愛に包まれる
 瑠宇斗が瑞穂の布団を綺麗に整えていた時、
 「キャッ!」
 よそ見をしてつまづいた瑞穂は、瑠宇斗に覆い被さるように倒れた。
 「ご、ごめんなさい!」
 瑞穂は、故意ではないけど、結果、瑠宇斗を自分から押し倒してしまったことに恥ずかしくて、慌てて体を起こした。
 「・・・まったく、瑞穂のドジさは変わらないな」
 「だからドジじゃありませんから!」
 頬を膨らませる瑞穂の頬に手を当て、瑠宇斗はじっと見つめた。
 「そういうところも・・・愛おしい・・・」
 瑠宇斗が顔をゆっくりと近づけると、瑞穂は目を閉じ、軽く触れる唇が離れると、頬は染まり熱で目を潤ませ、瑠宇斗を見つめた。
 「そんな顔されると・・・困るんだよ、瑞穂」
 「だって・・・好きな人とキ・・・キスするなんて、夢のまた夢だったから・・・」
 「俺も・・・こんな日が来るなんて思ってもみなかったよ」
 瑠宇斗は今までに無い感情が込み上げた。触れるだけの唇は、何度も唇を重ね合ううちに、本能に従い、やがて濃厚なキスで瑞穂を貪った。
 必死に瑠宇斗の胸元のシャツを握り、応える瑞穂が愛おしくて堪らない。
 このまま愛する瑞穂と・・・肌を重ねたい。

 人々が愛し合うことは知っている。それは300年前からずっと変わらない。
 ただ、自分にはそんな感情も湧き起こることなく、ただ人々のために山と町を守り、時には癒怒之神の命を受け、全国の神々を手助けするために飛び回った。
 あやかし神使としてただ使命を果たすために過ごして来た瑠宇斗は、女性を抱くという概念が無い。どんなに美しい女性がいても、1人の人間に過ぎなかった。瑞穂を愛するまでは・・・
 心が通じ合い交わる男女。ただ快楽のために交わる男女。300年もの間、ただの営みとして見て来たが・・・本能が・・・瑞穂を抱きたいという感情が沸き起こる。
 でも・・・癒怒之神との約束を破れば・・・分かってはいるが・・・
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