あやかし銀狼に恋をして〜じれ恋はやがて溺愛に包まれる
 🐺🐺🐺
 灯樹が立ち去ったあと、呆然としていた瑞穂は、まるで魂が抜けたように、静かに店に戻った。
 「瑞穂。灯樹さんはどうした?」
 「私・・・少し気分が悪いので2階に行きます・・・」
 「瑞穂?熱でもあるのか?」
 瑠宇斗が額を触ろうと手を近づけた時、
 「触らないで!」
 と、強く手を払った。
 「瑞穂・・・」
 「いくら瑠宇斗さんでも私に触れないで下さい・・・触れていいのは愛する主人だけです・・・」
 「それは・・・俺だろ?」
 「冗談は止めて下さい!いくら瑠宇斗さんでも許しませんから!」
 うつろな目をした瑞穂は、そのまま2階に上がっていった。
 「瑠宇斗・・・瑞穂ちゃんのあの様子だと、何か術をかけられたかも知れない」
 「術?いつの間に・・・強志さん・・・解けますか?」
 「解けないことはないだろうが、1番愛する瑠宇斗が分からないほど魂の奥に入り込んでいる。正体が分からないまま無理矢理解こうとすると、瑞穂ちゃんの精神が壊れるかもしれない・・・」
 「一体誰が・・・」
 「あれは神か神に近い者の術だが、そんなことするはずがない・・・一体何が起っているんだ・・・」
 「俺を拒否しているし、今夜は登喜代さんに事情を説明して、何も聞かず一緒に過ごすように頼んでおきます。俺は念のために外で見張ります」
 「そうだな。今日はあまり刺激しない方がいい。また明日来るよ。緊急なことがあれば、連絡しろよ。直ぐに来るから」
 「はい、ありがとうございます」
 強志はそのまま姿を消した。

 翌朝、登喜代は何かあれば直ぐに駆けつけることが出来るようにと、瑞穂を店の2階で休ませていた。
 「登喜代さん、ご心配をお掛けしてすみません」
 「私はいいのよ。でも、どうしちゃったんだろうね。昨日もボーッとしてたのよ。時々『あの人はいつ帰って来るんだろう』って言ってね・・・」
 「術をかけたのが誰だか分かればいいのですか・・・」
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