あやかし銀狼に恋をして〜じれ恋はやがて溺愛に包まれる
 「お客様。お店の中で大声を出されるのはお控えください」
 「この女が、この女が悪いんだ!君達には関係無い!黙っていてくれ!」
 「お店の中では私達の問題でもあります。少し・・・宜しいでしょうか」
 2人はお店の外でしばらく話をしていたが、男性は瑠宇斗に説得され帰って行った。
 「お客様。お連れの男性はお帰りになりました」
 「助けてくれてありがとう。いい男は仕事も出来るのね・・・ねぇ、私、あなたが気に入ったわ」
 「私も・・・あなたがこのお店に入って来た時から、とても興味がありましてね」
 獲物を捕らえるように目を細めて近づく瑠宇斗に、女性は髪をかき上げフェロモン全開で瑠宇斗の腕を掴んだ。
 「見た目より凄く逞しい・・・我慢出来ないわ。ねぇ、少しだけ2人きりで話がしたいんだけど」
 「えぇ、私もそう思ってましたから。では・・・瑞穂、2階を借りるよ。絶対に・・・覗かないように」
 女性は、羨ましいでしょという顔をして、瑠宇斗の後について2階へ上がっていった。

 しばらくして戻って来ると、息巻いていた女性は髪が乱れ、まるで魂が抜けたように大人しくなっていた。
 「登喜代さん、彼女を送って来ます。瑞穂、店を頼む」
 瑠宇斗は女性の腕を握り、そのまま町の方向に歩いて行った。
 瑞穂の妄想は勝手に膨らみ、2人の絡み合うシーンが頭に浮かぶと、首を振って打ち消し、しばらくすると、2人が愛し合うシーンが浮かび、打ち消すの繰り返しで仕事が手につかなかった。
 「瑞穂、どうしたの?ウロウロして」
 登喜代の声に、ようやく我に返った。
 「な、何でもないよ」
 「あら、そう・・・それならいいけど・・・」
 不思議そうな顔して、登喜代は奥に戻って行った。
 「はぁ・・・もうダメだ・・・」
 瑞穂が落ち込んでいると、そこに瑠宇斗が帰って来た。
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