シルバーリングの微熱



──今夜は雪が降る予報です。


近頃の天気予報はよく当たる。

カーテンの隙間から窓の外を見れば、小さな白銀の粒が地上に向かってふわりふわりと舞い降りていく。

私こと水川小雪(みずかわこゆき)は間も無くやってくる待ち合わせの時間を気にしながら、クローゼットの奥に締まっていた小さな缶を取り出した。

元々お菓子が入っていたその缶は両手に収まるサイズで中央に銀色のガラスの靴が描かれている。

この缶をクローゼットの奥にしまい込んだのはもう三年前だ。

「懐かしい……」

指先に少し力を込めれば、パカっと軽快な音がしてその中に閉じ込めていた思い出の数々が姿を現した。


初めて貰った手紙、高校卒業時に貰った第二ボタン、一緒に行ったテーマパークで買ったお揃いのキーホルダー、顔を寄せ合った笑顔の写真たち。 


「……やっぱ私も智広(ともひろ)も若……」
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