ポンコツ御曹司の初恋は…
嵐のあとの昼休み、やっぱり薫がやってきた。
私たちは、周りの人に捕まらないよう急いでなるべく遠くのランチに出掛けることにした。

ゆっくり話せるお気に入りのパスタのお店。
いつもと違って迷うことなくメニューを決めて、何かにまとめているかのように矢継ぎ早に質問をしてきた。
「時間がないからさっさと聞くね。
鈴木と付き合っていたのはこの前確認したけど、それより別れたあと落ち込んでいるどころか、なんかイキイキしてるのは、柏原さんと関係有るの? もしかしてもう付き合ってるとか?」
どうして今ここで俊輔君が出てくるの!
何をどこまで話せば良いのか分からない。
さすがに司さんとのことは話せないし。
「実は俊輔君は同級生だったんだ。小学校が同じで、久しぶりに会って懐かしかっただけ。それ以下でも以上でもないよ」
これ以上の説明は出来ない。
「ならお願い。柏原さんとの食事会、セッティングしてほしいんだけど!」
堅太郎のことはどうでも良いんだ。
確かに司さんと俊輔君は人気があるもんな。
薫は興味ないと思ってたけど、やっぱり気になってたんだ。
「うーん、分からないけど聞いてみる」
私も司さんのことはっきりさせたいから、もう一度、俊輔君に連絡をしようと思ってたんだ。
嬉しそうな薫を見て、私も普通の恋愛がしたくなった。
「柏原さん、彼女いるのかなぁ。どんな人がタイプなんだろう。ねぇねぇ、一緒に聞いといてよ。あー、緊張してきた」
一人で喋って、勝手に緊張して、幸せそうで羨ましくなる。
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